第33回 投資とキャリア

キャリア

<<第33回の主な対象読者>>

・国内MBAとUSCPAが、どうキャリアに活かせるかを検討されている方

・縁あって、このブログにたどり着いてくださった方!

<<本編>>

前回の自己投資に続き、投資とキャリアと題して、国内MBAとUSCPAが、どうキャリアに活かせるかをアップします。

経営学から捉えたキャリアについては、改めてアップをしますので、今回はもっと実践的にキャリアを捉えてみたいと思います。

キャリアと何度かすでに書いていますが、まず、キャリアとは何かを整理しておきたいと思います。

厚生労働省の報告書によると、『「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すもの。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳される』(厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書 、2002年7月、 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/07/h0731-3.html )とまとめられています。

ビジネスパーソンとしてどうキャリアを歩むかは自身の生涯を通じた大きな課題です。特に、国内MBAやUSCPA取得を検討されている方は、それらの取得は大きな投資となるために、その課題意識がとても高いと思います。

前回アップしたとおり、私はキャリアチェンジ(ここでは、粗い捉え方ですが、転職とします)は考えていません。勤めている会社は充分にチャレンジングな環境であり、興味がもてる仕事ができています。そのため、国内MBAとUSCPAの取得を検討したときも、キャリアチェンジは想定していませんでした。

しかし、国内MBAやUSCPAの取得を契機に、キャリアチェンジを検討されている方も多いでしょうし、そうではなくともキャリアチェンジというものを切り口に改めて自身のキャリアを眺めてみるのは、客観的に振り返るという意味で有用ではないかと考えます。

そこで、私が、投資(お金の運用から自己投資などを含めて、いろいろな意味での投資です)と自身のキャリアを考えるときによく参考にさせていただくのが、経済評論家 山崎元氏の発信内容です。きわめて明晰な頭脳だと感じさせる、鋭くわかりやすく本質や実態を突いた文章で、なるほどと思うことばかりです。

現在、楽天証券経済研究所客員研究員である山崎氏(2020年2月現在)には執筆などが数多くありますが、ここでは同証券のウェブサイト連載コラム「ホンネの投資教室」のURLをご紹介しておきます。

https://media.rakuten-sec.net/category/yamazaki

山崎氏は、働いてお金を稼ぐというのが一番大切としています。また、20代のビジネスパーソンにとってもっとも大切な投資は、自己投資であるとしています。自己投資により稼ぐ能力を高めることが長期にわたる期待リターンが大きいとしています。若ければ若いほど、身につけた稼ぐ力は長期にわたって活用できるということです。

山崎氏の執筆に『転職哲学-気分良くはたらくための考え方-』(かんき出版、2004年11月)があります。

繰り返しですが、私はキャリアチェンジするつもりはありません。しかし、キャリアチェンジしようと思っている人にもそうは思っていない人にも、「転職も1つの選択肢だ」と考えると、「転職の仕方は、働く個人のすべてが知っておいた方がいいビジネス常識の1つだ」(p2)としています。

内容は、4部構成となっていて、「Part1「転職の哲学」では、転職というものに対する基本的な考え方を述べており、Part2「転職のある人生設計」では、転職しない人もビジネスパーソンのキャリア・プランについて考えた。Part3「転職の作法」では、やってみてわかる転職のあれこれをお伝えし、Part4「転職者のビジネスの心得」では、ビジネスの日々の過ごし方を企業の建前の側からではなく、働く個人の本音の側から書いてみた」(p3)と紹介されています。

私のブログタイトルに関係する、国内MBAとUSCPAにも関連するトピックがあります。少し取り上げますと、「履歴書に書いてあって、採用側に必ずアピールする資格となると「弁護士」「医師」「会計士」といった、相当程度その資格だけで食べていくことができる、いわゆる「大型資格」に限られるだろう(p190)「資格だけでは求職上は大きな意味が無いことが非常に多い」(p191)。USCPAは、日本国公認会計士ほどではありませんが、これらの大型資格に次ぐと考えても私は個人的には良いと思います。但し、その資格だけでは食べていくことができるかと言われれば、そうではないかもしれません。

このあたりに関連する記事をUSCPAライセンス取得として第18回にアップしていますので、よろしければご覧ください。

また、山崎氏は、「募集している仕事や応募先の業種に関係のある資格で業務上役に立つレベルのある資格は積極的に書いてもいいが、それ以外のものについては戦略的な考慮が必要だ」(p190)として「勉強家ではあるが社交性に難があるというタイプ」「資格取得に逃避するタイプ」と思われ損をしないよう警鐘しています。

MBAについても触れられていて、「取得に年月を要するMBAも、必ずしも有利に働かないことが多い」(p191)「勉強自体に喜びを感じる分には構わないが、MBAを取るとビジネスマンとしての商品価値が大きく変わると思うと失望することが多いだろう」(p192)と率直に述べています。一部の有名な海外MBAを若い時期に取得する場合を除き、国内MBAであればここにあてはまってしまうと思います。

山崎氏のコメントは取得を目指す人にとっては残念ながら、実態を突いていると思います。したがって、キャリアデザインのうえで過度の期待リターンを見積もることは危険です。こうした一般的な資格や学位よりも実務経験を重視しているのが山崎氏の視点です。転職経験12回の山崎氏の経験に基づくコメントは重いと思います。

こうしたコメントもあるということを踏まえて、自己投資(国内MBAやUSCPA取得)にリターンやキャリアの観点からご自身が納得がいくと言えるかどうかを検討しましょう。